ペンタゴンに衝突した77便はダレス空港から目的地のロサンゼルスへ西進しましたが、オハイオ、ケンタッキーの州境付近で反転しワシントンに戻ります( 独立調査委員会報告書の図)。このページでは、飛行コースのうち最後の数分、衝突の前に最後にほぼ一回転する旋回をしたという部分について説明しています。
図1. 藤田氏による77便の最終的な飛行コース
参照元と思われる画像: フルフォード『暴かれた9.11疑惑の真相』(扶桑社、2006年)の附録DVDの11分24秒の画像。DVDは、911 Eyewitness、loose change を参照していると書いています。後者に該当する場面はありません。前者は未確認ですが、テーマはWTCに限られているようなのでこの画面を含むかは疑問です。作成者は不明です。フルフォード氏は「テロ機は東側からやってきて急旋回し、アメリカ国防の中心人物の居場所をわざわざ避けて、反対側のいちばん強固な部分を狙ったことになる」(p69)と書いているのであるいは彼かも知れません。
2008年1月10日、民主党の藤田幸久議員が参議院外交防衛委員会の質問にさいして提示した77便の最終的な飛行コースを示す写真は、いわゆる公式発表のものとは異なると指摘したところ、あきれたことには、いまだに、あるいはこんなものを公式見解に基づくものだと主張する方がいる(※)ので、念のために若干の資料と共に、藤田氏の図が公式見解に基づくものではないことを説明します。藤田氏の図のような飛び方はヘリコプター以外の本物の飛行機では不可能なことは無視します。一応およその概念図と解釈することとします。
※「藤田議員が説明した飛行コースはそもそもペンタゴン当局と米国政府機関が発表したものなんだよね。そして、『パイロット達』が指摘する飛行コースというのはNTSB(国家運輸安全委員会)が77便のフライト・レコーダーに基づいて製作したシミュレーションCGのものなんだよね。」 当然ながら「なぜか」その根拠を全く示していません。根拠を示せば容易に反論できるのに的外れピンぼけのガラクタを並べ立てて反論したつもりでいるようです。出典は下線部分で検索願います。良く調べずに、こんなマヌケを書く人は日本では多分一人だけですから、すぐに見つかります。スペイン在住の方のようですから世界で一人でしょうか。
藤田議員の示した図と良く似た図があります。掲載しているページの説明とともに紹介します。旋回半径が大きくなっている点は異なりますが、ペンタゴンが、周回コースの内側に入る点、北から飛来している点が共通点です。
スティーブ=ケッペル氏の分析
"Analysis of Flight 77, Flight Path by a Former Air Force Pilot", by Steve Koeppel, The Power Hour
によれば、『パワーアワー』のサイトにこの文書が掲載されたのは、2002年の12月14日以前です。作成は、おそらくは事件直後と思われます。
作成したのは、元パイロットのスティーブ=ケッペル氏です。彼がどのようにして作図したか見てみましょう。日付が不明ですが当時のロイターの図解の説明を根拠にしたと言っています。参考にしたという部分は以下です(番号はロイターの付けたもの)。
- (3)ダレス管制塔の管制官が空域内を飛行場の東南東をホワイトハウスに向かって高速で移動している一次レーダー信号を見つけた。
- (4)飛行機は右旋回をしてホワイトハウスから離れていった。
- (5)飛行機は右に270度の周回をしてペンタゴンに南東から接近した。
- (6)飛行機はレーダーに映らない高度に降下し、衝突少し前に管制官のレーダー画面から消えた。
ロイターの図解
彼は (3)に対応するものとして次の図を示します。"Approx Position" と書かれた青い花びら形の印です。
図2. 495号線と50号線の交点のやや南で495号線を横断したことになります。左端の赤い十字の印がダレス空港。
そして、(4)の説明について、彼は、「飛行機はペンタゴンに突入するための270度の右旋回をはじめる前に、ホワイトハウスを目当てにしていたようである」と解釈しています(攻撃目標ではなく目印として)。
そして残りの(5)、(6)の説明も含めて、さらに自らの飛行経験からみて飛行機が旋回可能な回転半径を考慮して作図したのが、図3. だと説明しています。
図3. 地図右下のスケールは1マイル。ケッペル氏は旋回半径を2マイル程度と推定しています。
また最終的には直線部分が1マイルは必要としています。図2. のレーダーがとらえた地点と 図3. の間が記入されていませんが、その部分を含めて次のように説明しています。
(参考) 図2. と 図3. の間を示したのが、この図解の紫色の線です。黄色の線は後述するNTSBが公表したもの。(""OLD" 270° LOOP EXPLAINED [FINAL]"The Frustrating Fraud, July 25 2007 より)
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