ブッシュキル・フォールスを訪ねる
ようやくいい天気が続くようになって、最近ほとんどお出かけらしいお出かけをしていなかった我が家も、なんとなーく出かけてみよっかなー、という気分になった。
「さて、どこ行こっか」「そやなー、この前どっかでもらってきたパンフレットに、滝があったで」「それどこやねん」「なんか、ペンシルべニアのほう」「滝ということは水辺か、まあまあよさそうやなぁ。そしたらそこまでどれくらい時間かかるか調べてみ」「なんか、2時間で着くらしいで」「そうなん？じゃ、行こや」
ということで、今回の目的地は、ペンシルベニア州のブッシュキル・フォールズという滝。パンフレットには「ペンシルベニアのナイアガラ」と書かれている。載っている写真を見ると、どうってことない滝に見える。「また、大層なタイトルつけてぇ、言いすぎなんちゃうん？」と思いながらも、何となく惹かれるものがあった。我が家は2年前ナイアガラの滝に行ったのだが、当時の子ども達は小さすぎて、あの迫力は記憶に残っていないらしい。しかし今なら「滝に行くで?。水がドドドーッて流れてくるんやで?！」と言うと、「ほんと？行きたい行きたい！」とものすごく食いついてくる。これならへなちょこ滝でも、喜んでくれるかもしれない。
紳士クラブ、フォールズチャーチ、バージニア州。
◆『ギャップ』って？
Rt206を北に進み、I-80Westへ30マイル。だんなが「なぁ、標識に『デラウェア・ウォーター・ギャップ』って書いてあるけど、これなんや？」と聞いてきた。助手席で地図を広げていた私は慌てて確かめてみると、I-80上、ニュージャージーとペンシルベニアの境にDelaware Water Gapの文字を発見。「なんやろ？渓谷かなんかかな？」「あー、『ギャップ』やもんな」と言っているうちに、あたりの風景が変わってきた。デラウェア川が左手に流れ、両側には山がそびえている。どことなく日本の中国山地を思い出す風景に、だんなと私は嬉しくなってきた。「ええなー、ええなー」とくねくね道を進んでいくと、いきなり目の前に、切り立った渓谷が現れた！地層が斜めに走っている様子が見える岩肌はなかなかの迫力。そうかわかった、これが『ギャップ』なんや！もっとじっくり眺めてみたくなったので、I-80の料金所手前にあるビジターセンターでちょっと一休みして、『ギャップ』とその横に流れるデラウェア川をしばし楽しんだ。うーん、ほんまに日本にいるみたい。
ここで、角度落下位置しています
◆ブッシュキル・フォールスへ
さて、予想外の楽しみにずっと浸っているわけにもいかない。お目当ての滝へ向かって、料金所を越えてRt209Northに進んだ。すると道の両側に、興味深いお店がいっぱい並んでいるのにびっくり。いろいろと看板を見ていたら、ここはスキーで有名なポコノ・マウンテンのエリアだということに気がついた。スキーに縁のない我が家のアンテナからは外れていたエリアだった。悔しい。行ってみたいなー･･･と後ろ髪を引かれながらも先に進む。
だんだん道の横側に"Bushkill Falls"と書かれた看板が立ちだした。それを見ながら前に進む。点滅信号を左折してちょっと行くと、駐車場に出た。これがブッシュキル・フォールズのようだ。奥に建物があって、料金所になっている。そこで切符を買い、横の入り口から建物に入る。中はこじんまりとした動物のはく製館になっていて、なんかよくわからん鹿とかキツネとかのはく製がどんと置いてあるだけだった。
その建物を出たら、滝に続く道になっていた。向こうからドドド・・・という滝の流れる音が聞こえる。この音の大きさからすると、結構立派な滝、かもしれない･･･。道の突き当たりでコースが分かれていて、ポピュラーなコースに進んでみることにする。突き当たりから階段を下に下りていくと、ちょっとがけから突き出た形になっている展望台が見えた。その展望台に行ってみると、
「おおおおぉ！！」
ナイアガラ·フォールズNYの死亡記事をアーカイブ？
滝の淵がすぐ前に見えるようになっていたのだ。写真ではわかりにくいが、この滝、100フィート(約300メートル ※注：実は、この記述には誤りがあります。しかし、次の号の前フリに関係していますので、このまま残しておきます。どういうことかわからない方は、次の｢サンドキャッスルコンテストの巻」を読んでください！）もの落差があるので、滝のてっぺんから滝つぼを眺めると、かなり怖い。そこに落ちていく水を目で追おうとすると、自分まで引きずり込まれそうな気になってしまう。
次に展望台から滝の正面に移動する。滝の水しぶきで遊歩道が濡れている。滝に向かって立つと、顔にいっぱいの霧がかかる。それがめちゃくちゃ気持ちいい！きっとマイナスイオンもいっぱい放出されてるんだろうなー、と思いつつ、胸いっぱいに空気を吸い込む。「へなちょこ滝かも」とバカにしてここへ来たけれど、300メートルもの高さの滝ってこんなに迫力があるものなのかと、びっくりさせられた。というよりも、ナイアガラはあまりにもどでかいので、その水量や勢いに「ただ圧倒させられる」のだが、ここの滝は「滝は本来こんなもの」というのを、適度な迫力とともに見せてくれるように思う。もちろん子ども達も滝を見て大喜び！連れてきてよかったぁ。
遊歩道は滝の下を通り、横を通り、上を通り、いろいろな角度で滝を眺めることができる。ちょっと遠目で上の方から眺めるのは写真を撮るのにはぴったりだけど、この滝の迫力を肌で感じるなら、やっぱり「滝の頂点の展望台」と「滝の正面」だろう。
このメインの滝のほかに、敷地内にはいくつか滝があって、それらを見て回るトレイルコースも用意されている。体力に自信があれば2時間半のフルコースに挑戦してみよう。我が家の子ども達(3歳、5歳）は最初15分コースで行ったけれども、あんまりにも楽しくて45分のコースにみずからチャレンジし完歩したので、子ども連れでもおすすめです。
BUSHKILL FALLS (Bushkill Falls, PA)
Tel:1-888-628-7454
（行き方）I-80WestでExit309で降り、Rt209Northを進む。Bushkill Falls Road(点滅信号）を左折し、しばらく進む。所要時間フォートリーより1時間45分、プリンストンより2時間。
入場料：大人8ドル、子ども(4-10歳）4ドル
7,8月は9AM-7PM、9月は平日9AM-6PM、週末
9AM-7PMのオープン。
（たんぽぽ2004年7,8月号）
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